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救急車
町を歩いていた時の事
空はすっかり暗く帰路につく人々が歩いてく
僕もその一人で交差点で信号を待っていた
その時遠くからサイレンを鳴らし救急車が近付いてきた
(事故でもあったのかな?)
目の前を過ぎていく救急車を目で追いかける
その時救急車が通り過ぎた交差点の真ん中に人が立っていることに気付いた
(あんなところにいたら危ないなー)
声をかけるでもなく眺めているとあることに気付く
足が無かったのだ
その女はゆっくりと僕のほうに振り返り涙を流したあとゆっくりと消えていった
僕はその時悟った
事故にあった女の人が救急車の中で死んだのだと
いつの間にか救急車はサイレンを鳴らすのを止めゆっくりと走っていた
救急車は中の人が死ぬと急ぐ必要がなくなるためサイレンを鳴らすのを止めるのだそうだ
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