第1章

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い、言っちゃった…! ツネさんは、要はここで家事をやってる人だよね? 少しでも手伝えるようなことがないか聞いてみよう! 外に光が無くなった頃。 障子の向こうで宗次郎が 「白茜さーん!もう外も暗くなりましたし大丈夫ですよね?ツネさんのところにいきましょ!」 その言葉に白茜は待ってましたとばかりに勢いよく立ち上がって障子をあけた。 そこで白茜はびっくりする。 現代ではどこかしらで街灯なんかがついていたため、目がなれれば暗闇で歩くことなんかはできた。 しかしここには電気はない。 宗次郎も白茜に気を使ってか蝋燭を使わずに来たので完全な暗闇でどこに道があるかさえわからない。 また、昔の日本家屋は、廊下と庭は接してるので一歩踏み間違えたら庭に落ちてしまうようになっているらしい。 ど、どうしよう… 私すごいわがままだ…。 よく宗次郎さんはここまでやってこれたな。 なんて思っていたら 「ふふ、さすがに光がないと前、見えませんかね。私は感覚でここまでこれましたが…」 「ご、ごめんなさい。あの、こんなこというと失礼ですが、ほんのすこしの明かりなら大丈夫なんです。室内にだって明かりは入ってきますが、それくらいなら我慢できますので…。」 完全に宗次郎は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして 「あ、そうでしたね!確かに蝋燭使うより昼間の室内のが明るいや!」 とゲラゲラ笑いだした。 「でもごめんなさい。ダメかと思って蝋燭持ってきてないんです。なので…はい。」 ? 暗闇で見えない。 すると肩をぽんと触られ、そのまま手の位置まで手探りで探し当て、そのまま手を繋いで歩きだした。 え!ええ!ええええ! 「こうすれば見えなくてもいけますよね!」 「は、はい…」 真っ赤になる顔を空いてる手で押さえながら 真っ暗でよかった…。 そんなことを思う白茜だった。
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