第1章

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「白茜さーん?お話は終わりましたか?」 障子越しに宗次郎がきいてくる。 「あら、お迎えがきたわね。似合ってるから宗次郎にもみせてあげなさい。明日またお裁縫おしえてあげる。」 「あ、ありがとうございました、ツネさん!宗次郎さん、今いきます!」 白茜が障子をあけると、今度は蝋燭をもっている宗次郎が口をあんぐりさせた。 その様子をみたツネは笑いをこらえている。 「それじゃあおやすみ、お二人さん。」 「あ、おやすみなさい!」 といい障子を閉めた。 宗次郎は微動だにしない。 やっぱり着物なんて似合わないのかな…。 「えへへ。似合いませんよね。こんなかわいい着物なんて。」 「いえ!すごい…すごい似合ってます!あの…その。きれいです。」 蝋燭のせいか、宗次郎の顔が赤くなってるようにみえる。 それにつられ白茜も赤くなった。 「あ、ありがとうございます…!」 「そ、そろそろ寝ましょっか!」 「そ、そうですね!お迎えありがとうございます!」 部屋まで送ってもらい、白茜は障子をしめ、布団に突っ伏した。 着物は崩れないように気をつけながら。 …はずかしかった。 気づけば白茜は夢の中にいた。
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