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それからは、ツネさんが優しく教えてくれたお陰で裁縫もそれなりに上達した。
着物も一人で着れるようにまで成長した。
白茜が過去にきてから1ヶ月がすぎようとしていた。
「白茜。君がここへきたときに、私の友人と会ってみないかと言っていたのは覚えているか?」
近藤が白茜の部屋へ訪れ、開口一番にそう告げる。
「あぁ、はい。覚えてますよ。」
「その彼がな、漸くまたこの道場に遊びにきたんでな。あとでこの部屋に来てもらうようにする。少し話をしてもらうといい。」
「は、はい…。わかりました。」
近藤はそれだけいうと部屋を出ていった。
ここの人たちは優しい。
だから自分の気持ち悪さをわすれていた。
どう拒絶されるか…。
それだけが心配だった。
トントンと襖がなり、白茜は肩をあげびくついた。
「勝ちゃんの友人の者だが…入ってもいいか?」
「はっはい!」
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