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「そんな悲しい顔で言わないでくれよ」
苦笑混じりの顔で土方は言う。
すると、廊下の方からドタドタドタドタと走ってくる音がした。
障子が勢いよくあき、
「土方さーん!遊びましょ!!!」
と宗次郎が雪崩れ込むようにして入ってきた。
「おい、お前宗次郎。部屋はまず声かけてから入りやがれ!借りにもここは白茜の部屋なんだぞ!」
宗次郎はしまったという顔をして
「すみません…。そうですよね、土方さんの部屋ならいざ知らず白茜さんの部屋に許可なしで入っちゃダメですよね…。」
「あぁん?俺にもダメだろーが。」
「土方さんと僕との仲じゃないですか!」
「親しき仲にも礼儀ありっていうじゃねぇか。」
宗次郎と土方は言い合いをしていると、白茜は耐えきれず声をあげて笑った。
「ふふ、あはははは!おかしい!二人とも仲良すぎですよ!」
笑われた二人は少し冷静になったらしく、頬を指で掻いた。
「私、ここにいる皆さんが大好きです。土方さんも好きになりました!ずっとみんなといたいなぁ…」
目を閉じ夢を語る。
「大丈夫ですよ!僕は白茜さんから離れませんし!守ってあげます!」
「おうおう。一丁前に男気取りかよ。残念ながら俺はまだ薬売りをするがな。またしばらくしたらこっちに戻ってこようかと思ってんだ。それまで我慢しろよ。」
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