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「……ん」
目を覚ますとそこは古い民家だった。
畳に敷いた布団に寝かされており、住宅街にこんなお家あったんだな…。
介抱してくれたみたいだし、お礼をしなきゃ…。
勢いよく立ち上がったらまた頭がくらっとなり膝をついてしまう。
そのときちょうど襖が開いた。
「あ、起きていたんですね。…って、大丈夫ですか?倒れてたんです。無理しないでください!」
襖から入ってきたのは私より少し歳上の少年だった。
私の腰に手をやり、布団に寝かせてくれる。
「あ、あの、ありがとうございます。ご迷惑も、かけちゃって。」
「いえ。それにしても、言葉通じるんですね。異人の方…ですよね?」
「え?」
異人…ってなに?
あ、でも言葉が通じるっていってるから外国人だと思われてるのかな。
慣れっこだけど、やっぱり少し傷つくな。
「私、日本人です。この髪と肌と目はアルビノっていう病気でこうなってるんです。」
「え、そうなんですか?格好も見かけないような形してますし、てっきり異人の方だと思いました。」
格好?は、普通だと思うんだけどな。
え、もしかしてダサい!?たしかにパーカーだけどさ…。
…って、よく見たらこの人袴きてる。
私よりあなたのが珍しいと思うんだけどな…。
「私からすれば、あなたの方が見かけない服装だと思うんですけど…いや、袴はしってますけど。」
「え、なにいってるんですか?着物以外になにを着ろっていうんですか!日本人はみんな着物や袴を着てますよ。」
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