第1章

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「外は嫌なのかい?」 近藤は眉を困らせて言う。 「あ……いや…」 「言いたくないならいいんだ。ここには好きなだけいるといい。あ、でも家族には心配をかけちゃいけないよ。お父さんお母さんが不安になっちゃうからね。」 白茜は握っていた拳をさらに強く握る。 「いえ…。私には、もう父も母もいないので。」 「それは…悪いことを聞いてしまったね。なら遠慮することはない。ここで一緒にくらそう!宗次郎もいるしな。他にも何人か食客たちもいるし、きっと仲良くしてくれるだろう。」 「え…あ、ありがとうございます!!!」 白茜はここにきて初めての笑顔をみせた。 それをみた宗次郎は、僕が守ってあげたい。そんなことを思った。 白茜の美しい笑顔に二人ともつられて笑みがこぼれた。 「ここで住まわせていただくんです。私のこと…お話ししていただきます。聞いていただけますか?」 二人は笑顔を引き締めた表情に変えた。
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