第1章

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いってしまった。 健気で愛しいきみは、月へと帰ってしまった。 もう、きみはこの世界には居ないのね。 きみは、もうひとりの母親のような存在だった。 愚痴を聞いてくれてたきみも。 たくさん慰めてくれたきみも。 心配してくれてたきみも。 きみはずっと一生懸命頑張っていたけれど、限界だったきみは私たちに別れを告げて帰ってしまった。 ごめんね。ごめんね。 あんなに頑張っていたのに、何もしてあげられなくて。 偉いね。 よく頑張ったね。 苦しかったね。 つらかったね。 だからもう、 頑張らなくていいんだよ。 もう、安心して休んでいいんだよ。 冷たく、固くなったキミはもう動かなくて。 目も、開けてくれない。 きみの人生は楽しかった? 良いものであった? 私たちは、きみと居れて本当に良かった。 たくさんのモノをきみから貰った。 たくさんの事をきみから学んだ。 私たちは悲しくて悲しくて、ずっと泣いていた。 でも、ふと見たきみの顔は、 どこか、笑っているように見えた。 今はもう、そんなきみはいないけれど。 それでも、きみと共に過ごしたあの日々は、 確かに、“ココ”に存在しているから。 たくさんの、たくさんの“ありがとう”をきみに伝えるよ。 今までありがとう。 本当に大好きだったよ。 またいつか会おうね。 願わくば、きみの来世が幸せで明るくあることを……
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