第1章 猟奇殺人鬼

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物心がついた時から、自分が誰なのか わからなかった。 殴られ、嬲られ、意思を奪われた。 そんな俺を奴隷として買い取った奴がいた。 街一番の殺し屋。 俺はそいつから、殺しのイロハを教わった。 そして、一番最初にそいつを殺し 所持していたナイフを奪って逃走。 けど、世間は甘くない。 俺はすぐに大人に…奴隷商人に捕まり 情けないが、再び地獄の日々へ逆戻り。 そんな日々が数年続き 俺は色んな人間を知った。 俺の身体を貪り食う奴の目、俺を性奴隷として見る奴の目 俺を…オモチャにする奴の目。 全ての目を見分けがつくようになった時 俺は、俺を買った奴を殺した。 殺しが…刺激的で 己が望んで命を求めたのは、30人殺した頃だったな。 俺は今、橘 サクヤと行動を共にしている。 爆弾作りの天才。 拾ってからは利用出来るから、側に置いている。 ‥まぁ、俺の言いなりだから、使いやすいってのもあるんだが 足手纏いには変わりはない。 サクヤは女だ。 俺は男。 サクヤが15で俺は、17。 …確か、サクヤが10歳になる前から一緒にいる。 俺は、全国的に指名手配され 猟奇殺人鬼と呼ばれている。 …俺のいる街は、スラム街。 薬を使われ、金を吸い尽くされた奴らのゴミだめだ。 こんな街で、俺は幼少期と今を過ごしている。 俺を力で抑え、散々犯した挙句、奴隷商人に売りつけ金を得る者。 空腹の上幼かった頃 俺の目の前で食べ物を踏みつけ 水たまりに捨てた裕福なガキ。 俺は、泥だらけな食べ物でも 食べなきゃ死んじまうから 食い付いた。 ガキは、笑っていた。 ゴミのような食べ物を 無我夢中で食べる俺を 見下し顔面を蹴り上げ 踏み付け、物乞いを要求した。 悪平等な世界で共通するのは 弱い者は強い者に踏みにじられ、嗤われ 見下され命を弄ばれて、殺される。 そーゆー運命しか辿れないって事‥ 何も理解していなくてもそれだけは 世界の掟だけは、理解出来ていた。 だから、俺は、生きる為に 強い者になった。 力の無いものは 生きる権利もない。 人間としてすら扱われずに腐っていく。 腐り果て、歪んだ世界なら 俺がぶっ壊してもいいだろう? 権力、地位、名誉、財産 俺にとってはなんの価値もない。 奴隷、麻薬、スラム街を餌食にしている奴なら 容赦無く殺す。 俺という存在‥恐怖を 世界に轟かせてくれんだったらなんだっていいんだよ。 そう 猟奇殺人鬼でもな。 これは俺の復讐だ。
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