第1章

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目を覚ますと、シーンと静まり返った部屋のベッドの上に寝かされていた。独特の雰囲気から病院だと察した。 生きていたらしい。 意識するといろんな機械音が耳に入ってきた。案外、重症だったのかもしれない。 部屋も、窓の外も深淵に沈んでいて、目がなれてない今、何かの機械の電源ランプが妖しく光っている以外は何も見えない。 怖かった。 人を呼びたい、おそらく枕元にナースコールがある筈だと、若干の痛みを耐えて探ると、それらしきものを見つけたので、遠慮なく押した。 しばらくするといそがしい足音が聞こえ、近づいてきて、そして扉を開けた。 部屋に明かりが灯る。眩しさに目を細める。 すると足音の正体、看護師の方が私の気分や痛むところはないかなど聞いてきたので、最悪、と一言だけ、苦笑いと一緒に送り出した。 すると看護師は一瞬呆けた顔をし、次に笑顔をたたえ、一言かけて、医者に経過報告をしに戻っていった。 改めて、明るい部屋で、自分の状態を見返してみる。 何というか、まあ、路地ということもあってスピードが出ていなかったのが幸いしたのか、足を持っていかれただけで済んだようだ、3ヶ月くらい。
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