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「瞬凪!」
アルベルトは槍を振り上げ、素早く降り下ろし、
「・・・降り下ろしからの切り上げ。なら当たらなっ!?」
切り上げが来ない!?
手に槍が握られていないって!?
「よそ見をするな!」
「まずった」
降り上がっているアルベルトの手にはなにも握ってはいない。
だが、手に渦巻いているものが何かは分かった。
「風の刃か」
「切り裂け!」
咄嗟に腕をクロスしてガードする。
ギイィィィン!!
風の刃が銀龍の籠手に触れ激しい金属音を響かせ、
「ッ!」
私の頬を小さく裂いた。
「・・・」
私は頬に触れ指先に付いた血を見る。
「よっしゃ!まず一撃!!」
目の前でガッツポーズをアルベルトがいるがそれどころではない。
姉の教え、
『女を傷つける男は敵だ。容赦はするな』
「・・・殲滅する」
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