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春
もう、満開とは言えない桜はヒラヒラ舞っていて地面にピンク色の絨毯を作っていた。
私立朝霧学園の体育館では入学式をしていた。
「新入生代表、如月 氷愛」
そう私の名前が呼ばれた。
「はい」と返事をして壇上へ上って体育館を見渡す。
壇上から見た新入生達は真面目ちゃんばかりで友達なんてできなさそうだな、なんて思ってみたり。
朝霧学園は一応進学校であるのだから、当たり前であるのだけれど。
新入生らしい挨拶をして、思ってもない意気込みをつらつらと並べて一礼。
顔を上げてもう一度体育館を見渡した。
それでも上っ面だけでも友達付き合いの出来なさそうな人ばかりで。
気づかれないように溜息をついた。
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