五里霧中編_拾

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  今日の私は、少し緊張していた。 それは、結との交渉を胸に秘めていたから・・・ コーヒーを置くと、私は切り出す。 「・・・結ちゃん、あのね・・・ もうそろそろ、自宅通院に切り替えてほしいの。」 ピクッと結は紅茶を飲む手を止めた。 私は理由を挙げていく。 「立ち上がりも随分苦労しないでできるようになったし この杖さえあれば、歩くこともできる。 外出は、必ず、タクシーを使う。 だから、そろそろ、 出社もしたいし、自宅でも自分でなんとかできるから。」
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