五里霧中編_拾

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  ここを出る事に不安がない訳じゃない。 動作とかじゃなくて、鏡の元を離れる事に とても、とても、不安を感じている。 私にとって鏡は既に保護者になってしまっている。 だけど、それではダメなんだ。 彼に寄生して生きていく事だけはしたくない。 だから、これ以上、ココに居てはダメ。 ココが私の居場所になってしまう前に、 私はちゃんと自分の居場所に戻らなければいけない。 そして、そう自分に言い聞かせられる限界が今だった。
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