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噂話をしていた女子の声がまだ聞こえる。あたしが死んだなんてうそだ、そう言ってこの教室に入ってやりたいのに全然動けない。足元がすごく不安定になってふらつく。うまく立っているのかどうかも怪しくなってきた。ドアに添えていた手がずる、と滑る。
「あたしは、ココニ……イ、ル」
ぐしゃ。
と、湿った音がして教室にいた全員が一斉に振り返った。
廊下から入り口にかけて、べったりと泥が広がっている。近くにいた女子生徒がおそるおそる近づく。
「この携帯、もしかして」
泥の中に半ば埋もれるように携帯電話が落ちていた。ピンク色のカバーのついた携帯電話はぶるりとも震えることはなかった。
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