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全部知ってた。きっとこうなるんだと思ってた。でも良かった。とりあえず良かった。私の大事な人は私が守るんだ。
お姉ちゃんの恋心を知ったのは、私が風邪をひいて寝込んでいる時だった。付き合い始めた彼がかけていた電話の内容が、私の耳に届いたのだ。
彼は言った。もう限界だと。彼は言った。でもいい、あの人の髪の毛を触れたんだと。その時わかった。彼の目的は、あの人だったんだって。
「おめでとう。」
その言葉に反応する彼の纏う空気に、私の神経は鋭く反応した。
「ありがとうございます、お姉さん。」その言葉を言われる前に、先に私がこの人に言った。
「ありがとう、お姉ちゃん。」
ごめんね、お姉ちゃん。この人はね、私のものになったんだよ。
ほんとに、ごめんね。
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