第1章

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担当の先生とは普通に部活のこととか、学校行事のこととか、いろんな話をする。 最近は、中田さんと3人の会話が多い。 直接話したこともないのに 無言の意思疏通で “話をそらして授業を潰すつって言う協力体制になっているのがなんか楽しい。 「こんにちは。」 『こんにちは~』 いつもの挨拶。 今日も自習スペースに直行! と思ったら、また中田さんがいた。 知り合いのいないこの教室で、目を会わせてくれる人がいるのは嬉しい。 私は思いきって中田さんの隣に座った。 いつものように自習をはじめると、室長が来た。 「涼華ちゃん、どう? 塾には慣れた?」 「はい。もう大分なれました。」 こうやってひとりひとりを気にかけてくれるのは、小さな塾ならではのメリット。 室長もやさしくてよかった…。 「水球だっけ?」 突然横から声がして驚く。 「そうです。覚えてくれてたんですね!」 「まぁ…隣でしゃべってたしな。」 「…それもそうですね。」 「2人って結構しゃべるの?」 意外と普通にしゃべる私たちにビックリしたのか聞いてくる室長さん。 「いや…、席となりだったから先生通してしゃべったりしてたけど」 「直接話したのははじめてです。」 「へぇ… そうなの?」 「はい。」 これが私と中田さんが初めて直接話をした日。
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