17 罪と罰

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普通の方法ではなかなか死ねないので、中には、口にするのもはばかられるような、恐ろしい死に方をしたものもいたようですしね』 「……」 『死ぬための努力を、そこまでしなければならないのも馬鹿らしいので、私は、今までのサレストたちとは違う方法をとらせてもらうことにしました。これは、代々のサレストが書き残した過去の記録や、私の中にある記憶から、見つけ出した方法なんですがね』  そう言って、九鬼はゾッとするような笑みを浮かべた。 『なに、気づいてみれば簡単なことです。サレストとしての役目を放棄し――それだけじゃなく、仲間たちをわざと危険な目にあわせて、ハドラスが、私の中のサレストの力を、どうしても、別の人間に移さざるを得ないような状況を作ればいいんです』
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