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オレは今さらながらに、自分にとって、伊波の存在がこんなにも大きかったんだということに気がついて愕然とした。
伊波に、「恋してる」わけじゃない。
でも、じゃオレにとって、伊波は何なんだと聞かれたら、オレ自身もよくわからないんだけど――
あえて言うなら、一番近いのは、ずっとずっと昔から一緒にいる、血のつながった家族みたいなものかもしれない。
生まれ変わるたびに繰り返し出会ってきた伊波と、もしかしたら、会うのは今の世が最後になってしまうかもしれないなんて。
『おやおや、すっかりおとなしくなってしまいましたね。そんなにショックでしたか?』
黙り込んだオレに、九鬼がからかうように言った。
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