第1章

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左胸がバクバクと動いている。今朝から何度か胸がギュッと締め付けられるような、それでいて急に駆け足を始めた時のよう心臓がバクバク動いていた。 今は深夜。隣で寝ている1歳になる息子の規則正しい寝息がずっと聞こえている。息子を挟み妻と川の字になって寝室に入り、息子と同時に寝たのを覚えている。下手すると息子より早く寝ていたかもしれない。 トイレに目覚めて、自分の吐く息の臭さに驚いた。 それもそのはず、晩酌には缶ビールを1本。そして焼酎の水割り1杯。 家に着く前、会社の帰り道に缶チューハイ2缶。 今朝、まだ明るくなるかならないかの通勤中に2缶。 1日のうち、酔っ払っていない時間なんてなかった。 今は目がすっかり冴えてしまい、二日酔いのような頭痛と、胸の痛みを感じながら起きている。 毎日、このままじゃいけないと思っていた。 でも、俺なら、やめようと思えばやめられる。明日からやめられる、今日は嫌なことあったから飲んでしまえ。 その繰り返しだった。
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