第壱章

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【あやたかの家】 あやたかの家は洋館のような佇まいである。碧羽は初めて訪れたとき魔女が住んでいるという噂を少なからず信じていた。 「ここに来るのは何かの運命だったんだな。あのときは不安だったな…」 碧羽は最初に訪れたときのことを思い出して少し懐かしい気持ちになった。 碧羽はドアを開けて家の中に入っていく。 奥の部屋ではいつものメンバーの話し声が聞こえた。 「少し遅れた。ごめん…ってルイ何してるんだ?」 碧羽があやたかたちのいる部屋へ入るとそこには椅子に座って優雅に紅茶を飲むあすむとあやたか。奥のソファーで怪しい本を読んでいる景。そして、縛られて床で転がっているルイがいた。 「よっす!碧羽。」 「毎度思うけど、その格好で普通に挨拶するお前をすごいと思う」 「そーっすかー?もう慣れたようなものっスよ」 「やはり変態か」 あすむとあやたかは碧羽とルイの毎度の会話を聞いているのか聞いていないのか二人で盛り上がっていた。 景は一度碧羽の方へ視線を移したが意味深な笑顔を見せたあと再び本へと視線を落とした。
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