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向かいくる炎の球体に、少女は自らが得意とする水系統の魔法で対抗する。
何もない所から、両手に水を生み出すと同じように、相手のものと同等の球体に変化させる。そして、それを向かいくる炎の球体に向け放った。
放たれた水の球体は炎の球体とぶつかると空中で拮抗し、数秒すると二つの球体は消滅した。
「ふん……やはり多少はやりやがるな……つっても、今の疲弊した貴様がどこまで耐えられるんだろうなぁ?」
にやりと笑う男に、少女は無表情でさあ、と返答する。しかし、少女は内心、かなり焦っていた。
確かに、ここに来るまでの戦闘で魔法を発動する為の力、魔力は底をついている。
そして、自らの前にいる男は人間が住む地上とは別の世界、魔界から来る魔族、の地上殲滅戦闘部隊の一員だ。それも先程、自分が言ったような一兵卒ではないと思われる。
少なくとも準幹部クラスかそれ以下辺りの部類であろう。でなければ、いくら、魔族が魔法耐性や魔法適性を生まれ持つ種族とはいえ、地上最高峰クラスの魔術師の魔法相手にここまで競れないからだ。
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