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ここに来るまでに魔族の戦士達と戦闘を複数回した直後、急に襲いかかってきた魔族の男。
おそらくは自分の部下を少女の魔力を削る為に捨て駒としたのだろう。
そのお陰か、少女の魔力はほぼ尽きており、先程、男が放った炎の球体も相殺するのが手一杯だったようだ。
残り少ない魔力でどう対応するか、思考する少女だが、魔族の男はそれを待つ様子はなく、先程よりも巨大な炎を生み出せば、球体に変化させている。
その球体の大きさだけでなく、込められた魔力の量、質を確認すると少女は小さくため息をつく。
「……やれやれ、準備だけ済ませてて正解でしたね。試験運用もまだ出来ていませんが、理論上は完成品……賭けてみるしかありませんね」
「あ? 何をぼそぼそ、ほざいてやがる?」
小声で呟く少女の様子に、苛立った魔族の男は生み出した炎の球体化のペースを上げる。様子から察するにこの一撃でとどめを指すつもりだろう。
それを見て、少女は用意していた最終手段を発動する。同時に、チョークで地面に書いた魔法陣が青く光出す。魔法の強化、補助等に使われる魔法陣、今回はその両方を兼ねている。
が、この魔法陣の効力はそれだけではない。ある特殊な図式を導入している事により特殊な効力を発揮しているのだ。
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