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「なぁあんた、どう言うつもりだ?」
「トーマス、どうしたの?そんな怖い顔して。」
突然教室にやってきたトーマスに怒りの表情で詰め寄られ、スペンサーとメアリも間に入ってきた。
「俺は、そいつと話があるんだ。」
「そんな喧嘩腰できて、2人にさせるとでも思ってるの?」
負けないスペンサー。睨み合うようしばらく黙れば、トーマスは顔だけずらし、エミリーと目を合わせた。
「何でメグミがアンナに服従してるんだ?お前、何かしたのか?」
「は?服従?なにそれ。」
「言葉の通りだよ。今まであんなに毛嫌いしていたのに、突然犬のように従順になった。俺にも訳を話さない。」
それは、もしかしたらメグミの言っていたケリの問題かもしれない。
エミリーは胸騒ぎがする胸を抑えた。
「私、知らないわ。」
「嘘だ!」
「大声ださないでよ。それにアンナ先生は教師よ?素直に従うのは普通じゃない。」
すると、スペンサーの意見にトーマスは鼻で小馬鹿にしたように笑った。
「あの女には死んでもない。」
「どうして?」
「それを話す必要はない。原因を知らないならもういい。おい、お前・・3度目の裏切りはないからな。」
酷く苛ついた口調でトーマスは言い捨て、教室を出て行った。
「なにあれ。わけわかんない。」
「エミリー・・一度話し合ってみたら?」
「・・・うん。」
エミリーはギュッと服を握りしめた。
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