理由

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「とにかく2人も手伝ってよー。」 「なに?何の話?」 「サム、別に何でもないのよ。」 また空気を読まずずいずい輪に入ってきたのは彼氏のサムだった。 ここぞとばかりに協力してと頼み込むメアリに、頼られて嬉しかったのかサムは笑顔で承諾した。 「ちょっと、本人の意志を無視するような真似 しちゃ駄目よ。」 「友達が困ってるのに何もしない方が駄目だろ。俺に任せとけよ。」 あぁ、何でこの人と付き合ってしまったのだろう。 今さらながら、情けなくなった。 「次の試合だけでもって話してみるさ。それぐらいしてくれるさ。」 そんな簡単なものだろうか。 団結力を増すメアリとサムに不安な気持ちを抱きながら、エミリーは止める事も出来ず見守るしかなかった。 その日から、メグミの周りではメアリ、サム、ジョンの3人でいる姿をよく見かけるようになった。 日に日に不機嫌そうになるメグミを見るのは、心が苦しくなる。 「ねぇ、もうやめたら?本人嫌がってるじゃない。」 堪らずスペンサーが助け船をだしたが、納得いかない3人はやめる気配もない。 「お願い、エミリー。昔のよしみで1回でいいから頼んでみてよ。それで諦めるから。」 その提案を、断る事は出来なかった。 これで終わりなら、そうしてあげるのが1番だと思ったのだ。
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