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これが最後と言う理由を口実に、メグミが体育館裏に来た時には疲れた表情をしていた。
「今度はエミリーか。」
どこか、分かっていたような口調のメグミ。
「理由は全部聞いてる。」
「ねぇメグミ、私は無理強いはしたくないわ。」
「それでもこうして頼みに来たのは、彼氏の為?」
「違うわ。これで最後にするって言われたから!」
そっと、メグミが頬に手を触れてきた。
懐かしい感触。
一気に愛しい感情が溢れ出してきた。
「ねぇ・・どうしてバスケやめたの?あんなに好きだったのに。」
きっと今の自分はとても物欲しそうに移っているに違いない。
「好きだよ、とても。」
それはバスケに対してかどうか、分からない好きに聞こえた。
メグミは頬から手を離し、一歩下がった。
「一試合、一試合だけならいいよ。」
「メグミ・・・。」
「それで、全部本当に終わりだから。エミリーとも、バスケとも。」
意味深なその言葉を問いたかっだ、盗み聞きしていた友人達に邪魔をされ、メグミとそれ以上話すことは出来なかった。
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