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1週間後の試合、メグミが練習している姿をコートで見る事はなかった。
が、プールに来ては水中トレーニングに来ていた。
エミリーは水泳部だった為、嫌でも目についてしまう。
「ねぇ、メグミ・・。」
「ごめん、集中したいから。」
話しかける事は許されなかった。
淋しさが募るが、それも仕方ないこと。
エミリーはチラチラと盗み見しながら、メグミの横顔に胸を高鳴らせる。
メグミはいつの間にか来ては、ゆっくりと長時間泳いでは歩き、いつの間にか帰って行った。
「ねぇ、メグ・・ミ・・。」
「お前!何考えてんだよ!」
帰りに何とか話す時間が欲しく、メグミを追いかけていた時だった。
出入り口でメグミが男子生徒に怒鳴られていたのだ。
「トーマス、声がでかい。」
「でかくもなるさ!せっかくリハビリで良くなってきたのに、台無しにする気か?!」
リハビリ?
メグミが怪我をしている?
「中途半端に出来ると思うから未練が残ってしまうんだよ。それならいっそ、壊してしまえばいい。」
「ヤケになってるだけだ!」
「日常生活には問題ない。」
「・・あの子の事も、終わりにさせるつもりか?」
「言ったろ?無駄な未練は残さないって。」
バスケ、あの子、未練、リハビリ
様々なキーワードに、困惑がさらに広がった。
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