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「ねぇスペンサー、何を知ってるの?」
「ごめんなさい、エミリー。私からは言えないわ。とても、私からじゃ・・・。」
「じゃあきっと、メグミはもっと言いたがらないわね。いいわ、トーマスに聞くから。」
もうヤケだった。
何故スペンサーは知って自分には駄目なのか。
親友にも話せない事が信じられなかった。
「駄目よ!エミリー、そんな事したらお互いが傷付くわ。」
「だったら話して!」
「・・・分かったわ。」
スペンサーは唇を噛みながら、今にも泣きそうな顔で承諾した。
「でも、ここじゃ無理。今夜うちにきて。」
「分かったわ。必ずよ。」
「ええ・・・。」
これはもしかしたら、聞かなかった方がいい内容なのかもしれない。
エミリーは頭の隅でそう思ったが、聞かないままにしておくことも出来なかった。
「メグミ・・。」
どうしようもなく、メグミに会いたい気持ちに駆られる。
あのキスは間違いなく、まだ自分を愛してる証。
なのに突き放す彼女。
エミリーは頭痛がし、手を額にあてため息をついた。
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