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エミリーがスペンサーの家を飛び出し、無心に車を走らせ、着いたのはメグミの家の前だった。
雨が降り、気分は更に滅入る。
会いたいのに、どんな顔をして会えば良いのかわからなかった。
車を降り、雨に打たれる。
これは罰だと思った。
彼女を待たなかった自分への罰。
傷付けた罰。
被害者ぶって相手の事を考えなかった罰。
「メグミ・・・メグミ・・。」
何度も何度も呟き、懺悔した。
雨が涙を流していく。
あのシャワーに流れた涙のわけ。
愛しそうに、悲しそうにキスしたわけ。
「メグミ・・・。」
「何してんの、こんな所で。」
声の方向へ顔を上げれば、傘をさしたメグミが目の前に立っていた。
「ずぶ濡れになって・・。風邪ひくよ。」
「メグミ~~!」
「わっ!たく、もう・・結局私もずぶ濡れだ。」
呆れたように笑い、メグミは濡れたエミリーを雨から守るように部屋へあげた。
嬉しくて、悲しくて、くやしくて
エミリーは入り混じった感情が整理できず、メグミの胸元で泣きじゃくった。
メグミはそんな彼女をお風呂場に連れて行き、服のままお湯をかぶせ、優しく包み込むように抱き締めた。
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