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夏も近付き、水泳競技は益々練習に力が入ってきた所だった。
暑くなり泳ぎたがる生徒が増えたのもある。
そしてまた、約束の時も刻一刻と近付いていた。
「ねぇまだなの?メグミからの愛の告白は。」
メアリはじれったそうにエミリーをつついた。
「後、1ヶ月ないよね?本当に大丈夫なの?少し話したりしたら?」
スペンサーは心配そうにアドバイスした。
それぞれの性格が良く出る時だとつくづくエミリーは思った。
「信じて待つって・・約束したから。」
「健気ねぇ。」
「エミリーらしいわ。」
そう自分に言い聞かせている事は黙っておいた。
本当は時間が経つにつれ、不安になる。
もし、ケリがつかなかったら。
もし、気が変わってしまったら。
そんな不安は常につきまとった。
「ねぇ、そろそろ恒例のダンスパーティーよね?運営順調?」
「ええ、思ったより進行早いわ。楽しみにしてて。」
学校恒例のダンスパーティーの実行委員のスペンサーは自信ありげに目を大きく開いた。
ペアで参加するお祭り
それは恋人同士のお披露目会のようなものである。
「エミリーの分、ちゃんとおさえてるからね。」
スペンサーの準備の良さが、少しプレッシャーにも感じつつ頼もしくもあった。
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