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ダンスパーティーの準備が賑わう中、ペンキを持ったメグミを見つけ、エミリーは急いで声をかけた。
「メグミ、ちょっと話せない?」
「・・・無理。」
メグミの目は、驚くほど死んでいた。まるで人形のように光はなく、唇のはしがかさぶたになっている。
「メグミ・・・私、信じて待ってて、いいのよね。」
その言葉に、一瞬だけ目が泳いだ。
「2433」
「え?なに?」
メグミはくるっと身体の向きをかえ、背中を向けた。
何かが起こっている。良くない、何かが。
エミリーは確信にも似たこの不安に、吐き気を覚えた。
「あれ・・何?メグミ、やばいわよ?」
「き、来てたの?」
つけて来ていたメアリが、怪訝そうに眉をひそめながら小声で話しかけてきた。
「私も分からない。けど・・メグミが悩んでるのは確かよ・・。」
「ちょっと尾行してみない?」
「う・・うん。」
何か手助けできる事があるかもしれない。
エミリーは神にも祈る気持ちで、物陰に隠れた。
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