54人が本棚に入れています
本棚に追加
「久しぶり、エミリー。」
「いつ・・帰って来たの?メグミ・・。」
それは1年ぶりの再会だった。
記憶に残る彼女よりも、メグミはその頃より身長が高くなり、肌も健康的に焼けていた。
「3日前かな。」
「エミリー!探したよ、ここにいたのか。」
話を遮るように話しかけてきたのは、サムだった。
こういう空気が読めない所が時々イヤになる。
「・・彼氏?」
「え?えーと・・」
「あぁ、彼氏のサムだよ。初めまして。」
「サム、ちょっと2人で話したいの、先に行っててくれる?」
追い出すように場を離れさせたが、残ったのは沈黙だった。
先に口を開いたのは、メグミの方だった。
「これが君の出した答え、か。」
「・・・・・。」
「じゃあね。」
気まずくて彼女の顔が見れなかった。
だから彼女の背中に向かって声を荒げてしまった。
それは、今まで溜めていた心の刺だった。
「なんで!なんであの時いなくなったの!?」
メグミは立ち止まり、振り返る事無く、
「少なくとも、そう願ったのはエミリーだよね?」
その言葉は、否定する事も出来ず、メグミが消えた後もその場からエミリーは動くことが出来なかった。
最初のコメントを投稿しよう!