彼女の決意

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スペンサーはダンスパーティーの作業進行スケジュール表を睨むように見つめ、ペンをとんとんさせていた。 どう見ても問題のアンナ先生の出現率がメグミ周辺で高いのだ。 大道具担当のメグミは、ほとんど場所が決まっている。 かたやアンナ先生は特に決まった振り分けはなく、参加して箇所にサインするだけだった。 「スペンサー!大変よ!ちょっときて!」 「え!?何どうしたの?!」 実行委員の一人が慌てて会議室へ滑り込んで来たかと思えば、緊急事態を漂わせた。 急いで数人と現場に行けば、男子の列と先頭にはメグミが立っていた。 既にメグミは肩で息を切らしており、ボロボロという名の通りだった。 見物人のように椅子に座り眺めているアンナ先生に問い詰めた。 「アンナ先生!これはどういう事ですか!」 「あー、スペンサー。何か試合始まっちゃったの。」 「試合?!これが試合ですって?!」 どこをどう見ても公開イジメじゃないの。 スペンサーは並んでいる男子生徒を解散させ、メグミを保健室に連れていくように指示をだした。 「メグミと試合して、勝ったらダンスパーティーの相手になるって話になっちゃって。喧嘩じゃないのよ?」 「仮にも教師が生徒の暴力行為をそそのかすなんて。非常識だと思わないんですか?」 「やだ、スペンサー。先生みたい。」 ニコニコと悪気無く笑う彼女は、まったく事の重大さを自覚していないようだった。
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