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「スペンサー、大事にする事はないよ。私も同意して、きちんとルールの元にやっていた事だから。」
抑揚のない、エミリーから聞いたまるで生気のない声でメグミが間に入ってきた。
「なに言ってるの!そんな怪我して!」
「メグミ、痛かった?」
「いえ。」
痛くないはずがない。
確実に青アザと腫れが翌日には襲うだろう。
「お互い同意の上での行為です。問題ありません。」
犬のように忠実
トーマスの言葉が頭を過ぎる。
確かに普通ではない。スペンサーの頭で警報音が響いた。
「メグミ、私が保健室に連れて行ってあげるわ。」
「駄目よ、私が連れていくわ。」
「・・・メグミはどっちがいい?」
「・・・先生、行きましょう。」
そう言い振り向き際、メグミの唇から血がつぅと落ちた。
一瞬見せた辛そうな表情。
「メグミ、私の事大好きだから取られたくなかったのよ。気持ちくんであげなきゃ。」
ぞく
スペンサーは背筋に悪寒が走ったのを感じた。
悪い人間の匂いが本能的に危険信号を告げる。
「やばいんじゃない?これ・・。」
急いでエミリー、メアリに連絡を入れ、トーマスを探した。
「トーマスはどこ!」
「あいつなら、今日は休みだせ?」
「つっかえないわね!」
悪態をつきながら、2人の合流にいそいだ。
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