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「どう言うこと?!メグミが怪我って!」
パニック状態のエミリーを何とか落ち着かせ、事を説明するスペンサー。
教育委員会や校長に直談判しなければと憤慨する彼女。
「とにかく、様子を見に行かなくちゃ!メグミとあの先生の関係がわかるかも!」
メアリはしーと口に指を当て、保健室の隣部屋からベランダへ移り中を覗いた。
そこにはアイスノンで目を冷やすメグミと、その様子を見つめながらベッドに座るアンナがいた。
アンナの表情はとても満足げで、嬉しそうだった。
「あの女、やばいわ。よく教師になれたわね。」
「メグミ、もしかして弱味でも握られてるんじゃ。」
「しっ!こっちくる!黙って!」
何かを話し終わったメグミが、ベランダに出て来たのだ。
とっさに物陰に隠れる3人。
すると、
「ごん!ごん!ごん!」
と、鈍い音が響いた。
メグミがベランダの柵に蹴りをいれていたのだ。
その顔は能面のように顔色1つ変わっていなかったが、蹴りは徐々に強くなり、唸るように声を絞り出した。
「うあああああーーーーーー!!!」
悲痛な叫びと共に柵を殴る。
そして肩の痛みからしゃがみ込み、声を押し殺して泣きだした。
何を守ろうとしているのか。
その小さな背中で。
駆けよろうとするエミリーを2人は抑えながら、メグミが部屋に帰るまで息をひそめた。
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