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特進クラス
1年の時の成績優秀者が集まるクラス
そこにはチラホラと見慣れた顔がいもしたが、昔のように親しく話しかける相手もいなかった。
彼女以外は。
「メグミ、久しぶりね。」
それはエミリーと仲のよかったスペンサー。
中学の頃から身長が高かったが、さらにあれから伸びたようだ。
「久しぶり。大人っぽくなったね。」
「メグミもね。あなたもここのクラスだったんだ。」
「うん。」
元々仲良く話す相手でもなかったこともあり、そこで話が途切れる。
が、さばさばしたスペンサーはハッキリと目的を伝えてきた。
「エミリーのこと。何があったか知らないけど、彼女とても心配してたのよ。あなたが留学突然して。」
「距離を置きたいって言ったのは、彼女の方だよ。」
「十分、置けたんじゃない?」
エミリーはこのスペンサーとメアリと3人組でとても仲がいい。
友達思いなのは、とてもよく分かる。
「おいた、結果だよ。エミリーの事、これからもよろしくね。」
それ以上話すことも出来ず、スペンサーとは完全に会話を閉じた。
エミリーの友達だからこそ、言えない事もある。
メグミはぐっと拳に力を入れ、教科書を見つめた。
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