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「ねぇエミリー、メグミの勧誘手伝ってくれない?友達だったでしょ?」
「メアリ、どうしたの?突然。何の勧誘よ。」
朝から意気込んで話しかけてきたのは、メアリだった。
そしてずっと避けていたメグミの話題を出され、エミリーはとても動揺してしまった。
「バスケよ、バスケ。メグミってジュニアから上手かったんでしょ?」
「でも辞めたらしいわよ?バスケ。」
後から教室にきたスペンサーもまたメアリの大声で内容を知り、話に入ってきた。
「だから誘って欲しいのよ。今の女子バスじゃ、エースがいなくて決定打にかけるの。」
「メアリが何でそんなに熱くなるのよ。」
「あー、彼氏の為ね?男子バスケのエース、ジョンに何て言われたのよ。」
察しのいいスペンサーはすぐに確信をつけば、気まずそうにメアリはワタワタと慌てだした。
「次の試合に勝たなきゃ、大幅に部の予算が削られるらしいのよ。うちは男子も女子も一緒の予算だから。」
「そういうわけね。」
「でも、もう私メグミとは仲良くなくて・・。協力出来ないわ、ごめんなさい。」
宛てがなくなったメアリは、あーー!と頭を抱えた。
そういえば、何故メグミは大好きだったバスケを辞めたのか。
エミリーはいまだに隣で騒ぐメアリとそれを宥めるスペンサーをよそに、ぼんやりと考えた。
記憶にある限り、放課後は必ず練習に出て、小さな子供にも教えるほど好きで、それが終わると必ず私を迎えに来て・・・。
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