第1章 メッリーさん

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ユーガットメール! ユーガットメール!! 「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」 再び鳴り響くメール着信音。 投げ捨てたはずなのに、耳元近くから聞こえる。 「なんなんだよ!!! 僕になんの恨みがあるんだ!!!」 大声で叫びながら、枕元に移動していた携帯を取り、メール内容をみる。 私、メッリーさん。 どうやら、悪い男の自宅見たい。 私、手足を縛られて、クローゼットの中に閉じ込められてる。 助けて! 「ひっ!!!?」 突如、部屋のクローゼットがガタガタと揺れる音が聞こえ、女性の悲しげな叫び声が部屋中に響き渡る。 「いやぁ!!出して!!! お願い!!! 出して!!!いやぁぁぁぁぁぁ!」 「やめろぉー!!やめてくれぇー!!!」 僕には、クローゼットを開ける勇気は無かった。 そのまま、布団の中で、時が過ぎるのを待つ。 「助けてくれよ。 僕が何をしたってんだよ。」 布団は涙と涎で濡れてきている。 精神の限界がすぐそこまで近づいてきている。 ユーガットメール! ユーガットメール!! ユーガットメール!! ユーガットメール!!! 再び、投げ捨てたはずなのに耳元で、鳴り響くメール着信音。 自らの精神を守るためか、メッリーさんに無理矢理取らされたかは、わからない。
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