第4章

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掛かり付けの病院は、不妊治療をしていたクリニックから紹介を受けた総合病院。 私が高齢ということもあって、何があってもいいようにと、高度医療も可能な大きな病院を選んでいた。 ソファーが並んでいるだけの待合室には、 この時間から何人か待っていたような気がするけど、 周りを気にかける余裕はない。 前もって電話しておいたおかげで、すぐに診察室に入ることができ、 幸太郎に支えられながら、祈るような気持ちで、先生の前のイスに座る。 この病院には、何人か産婦人科医がいるのだけど、 今日の先生は、50代くらいの落ち着いた男性医師。 高橋先生。 以前一度、高橋先生の診察を受けたとき、厳しいことを言われ、ちょっと苦手だと思ったっけ・・。

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