第5章

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点滴の副作用のせいか、 体はだるくて、頭もはっきりとは働かない事が多いけど、 情緒だけは不安定で・・。 泣いちゃダメって思ってるのに、 自分でも信じられないくらい、 目から大量の涙が流れ落ちていた・・。 ・・情けない・・。 「美波・・」 いつも涙もろくて、私以上に泣いてくれる莉子は、 今日は、優しく強く私を見つめていた。 「本当に頼っていいから。 堂本さんだって、仕事でしょ? 私、毎日だって通ってもいいよ。 必要なものがあったら、遠慮なく言って。 洗濯ものがあったら、してくるし。 赤ちゃんが生まれたら、こんなにゆっくりなんて、できないと思う。 美波はずっと第一線で働いてきたから、体も心も休めるいい機会だと思って、この生活を楽しんでみるのもいいと思うよ。 私、応援してるから」
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