第5章

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莉子は、 本当の家族のように私の身の回りのことをしてくれながら、 なんてことのない雑談をして、 夕方まで側に居てくれた。 「必要な時は、遠慮なく連絡してね!」 何度もそう言って、後ろ髪が引かれるように帰っていった後も、 私の気持ちは、なんだか落ち着いていて、 夜、就寝前の赤ちゃんの心音検査で、助産師さんに言われた。 「今日は堂本さんのお腹、すごくリラックスできてるみたいね。 この調子が続けば、起き上がるくらいなら、許可が出るかもしれないわね」 「えっ本当ですか・・?」 とにかく横になっているばかりが、今の私のできることで、 身動きのできない不便さを痛感していたから、 起き上がることが出来るだけでもすごくうれしい・・!
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