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「ちょっと顔を出したら、タクシーで、堂本の家に戻るから。ね。
急に抜けてたくさん迷惑をかけて、私はずっと何にもできなかったから、ちょっとみんなの顔を見て挨拶したくて……」
「……会社か……」
「行く時もタクシーで行けば、そんなに体に無理はないと思う、どうかな?」
幸太郎は、私の表情を伺って、ちょっとだけ考え込んでから、フッと表情を緩めた。
「みんな……美波さんを待ってるよ。
原ちゃんは相変わらず、顔を合わせるたびにまとわりついて様子を聞きたがるしな。
部長からもよく聞かれる。
だから喜ぶと思うな」
「行っていい?」
「明日の朝、体調が良さそうだったらな」
「うん!!」
2ヶ月以上足を運べなかったし、これから出産したらきっとしばらくは動くこともできない。
だから今のうちもう一度、行っておきたかった。
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