第9章 つづき

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第9章 つづき

「遅くなって、ごめーん。ちょっと出がけに、さくらがぐずってね。 結局車で寝ちゃって、まだ寝ぼけているんだけど……」 莉子に続いて、さくらちゃんを抱っこしたルイくんが入ってくる。 さくらちゃんは、ルイくんにしがみついたまま、じーっと部屋を見回して、 私と目が合うと、ルイくんの胸に顔をうずめて隠れた。 「堂本さん、お邪魔します。 あ。中嶋さん、でしたっけ……。どうも……」 ルイくんは中嶋くんに向かって頭を下げる。 そういえば、どちらの夫婦ともたまにご飯を食べに行ったりしていたけど、6人揃っては初めてかもしれない。 「あれ?莉子とユキさんは、初対面じゃないよね?」 「あ。美波の結婚式で、たまたま同じテーブルだったの」と莉子。 「そうそう。要とルイくんが、なんかちょっと不思議な縁があったりしてさ」 とユキさんも言う。
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