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「ああ、暇だ」
自室でゴロゴロ、折角の夏休みなのにやることが無い。
友達は家族で旅行か、もしくは彼女とデート…リア充は滅べば良い。
そんな時メールの着信音が部屋に響いた。
「あれ?着信音が変わってる?」
自分で変えた覚えは無いので、他に勝手に人のスマホをいじる奴は一人しか居ない。
「まぁ、後で問い詰めてみるか」
もしかしたら同じく暇を弄んでいる奴から、遊びのお誘いが来てるかも知れないと思い開いてみる。
差出人:登録にありません
件名:貴方の妄想叶えます
なんだこれ?新手のチェーンメールか?
「たまに凝った内容の奴があるから面白いんだよな」
そんな遊びの感覚でメールを開いてしまった。
本文:貴方の妄想叶えます。例えば全能の覇者【オールマイティー・コンカラー】と自分の事をそう呼び、昔の仲間の全知の王【アンニシャンス・キング】を正気に戻すため仲間を集める
そんな妄想、したこと無いですか?
更に─
「……それって、俺の事じゃ」
いやいや、何処にでもある設定だし。それにこの事は俺とアイツ以外は知らない筈だ、ちゃんと全部封印してあるから問題無い。
少し不安になり久々にその封印を解くことにする。
「よし、開けるぞ」
開こうとした瞬間、部屋の外からドタドタと物音が聞こえてきた。
「バカ兄貴!!このメールもしかして、って懐かしいもの広げてるわね?」
はぁ?何で、何で無いんだ!?
「なんだ、結構大切にしてた割には捨てたんだ」
「捨ててねぇよ!!それよりも、メールの着信音とこのメールお前の仕業だろ」
さっきのメールを見せながら、部屋に入ってきた少女、妹のマリを問い詰める。
「知らないわよ!!て言うか、逆にこれはケイ!!あんたの仕業でしょ」
すると逆ギレしながらメールの画面を見せてくる。
本文:貴女の妄想叶えます。例えば万物の花嫁【ユニバース・ブライド】を名乗り、設定とはいえ実の双子の兄と結婚している
そんな妄想、してこと無いですか?
しかも、現在も変わらず密かに─
「だぁー!!そこまで読むな。それよりも、こんなの知ってるのバカ兄貴だけでしょ!!」
「知らねぇよ!!お互いにこの事は秘密にしようって約束しただろ」
あんな黒歴史を今の友達にバレたりしたら一生学校行けなくなる。
「じゃあ何で…兄貴のも見せてよ!!」
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