第1章

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「ああ、暇だ」 自室でゴロゴロ、折角の夏休みなのにやることが無い。 友達は家族で旅行か、もしくは彼女とデート…リア充は滅べば良い。 そんな時メールの着信音が部屋に響いた。 「あれ?着信音が変わってる?」 自分で変えた覚えは無いので、他に勝手に人のスマホをいじる奴は一人しか居ない。 「まぁ、後で問い詰めてみるか」 もしかしたら同じく暇を弄んでいる奴から、遊びのお誘いが来てるかも知れないと思い開いてみる。 差出人:登録にありません 件名:貴方の妄想叶えます なんだこれ?新手のチェーンメールか? 「たまに凝った内容の奴があるから面白いんだよな」 そんな遊びの感覚でメールを開いてしまった。 本文:貴方の妄想叶えます。例えば全能の覇者【オールマイティー・コンカラー】と自分の事をそう呼び、昔の仲間の全知の王【アンニシャンス・キング】を正気に戻すため仲間を集める そんな妄想、したこと無いですか? 更に─ 「……それって、俺の事じゃ」 いやいや、何処にでもある設定だし。それにこの事は俺とアイツ以外は知らない筈だ、ちゃんと全部封印してあるから問題無い。 少し不安になり久々にその封印を解くことにする。 「よし、開けるぞ」 開こうとした瞬間、部屋の外からドタドタと物音が聞こえてきた。 「バカ兄貴!!このメールもしかして、って懐かしいもの広げてるわね?」 はぁ?何で、何で無いんだ!? 「なんだ、結構大切にしてた割には捨てたんだ」 「捨ててねぇよ!!それよりも、メールの着信音とこのメールお前の仕業だろ」 さっきのメールを見せながら、部屋に入ってきた少女、妹のマリを問い詰める。 「知らないわよ!!て言うか、逆にこれはケイ!!あんたの仕業でしょ」 すると逆ギレしながらメールの画面を見せてくる。 本文:貴女の妄想叶えます。例えば万物の花嫁【ユニバース・ブライド】を名乗り、設定とはいえ実の双子の兄と結婚している そんな妄想、してこと無いですか? しかも、現在も変わらず密かに─ 「だぁー!!そこまで読むな。それよりも、こんなの知ってるのバカ兄貴だけでしょ!!」 「知らねぇよ!!お互いにこの事は秘密にしようって約束しただろ」 あんな黒歴史を今の友達にバレたりしたら一生学校行けなくなる。 「じゃあ何で…兄貴のも見せてよ!!」
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