白花蒲公英

メール

～♪～♪

知らないアドレスからのメール。
でも、件名を見て凍りつく。

『たんぽぽ』

それは３年前行方不明になったまま、未だ見つからない私の娘の名前。

震える手でメールを開く。

『ママ…。ママ…。たんぽぽはここだよ。』

短い文章とともに、地図と写真が添付されていた。
地図印された矢印は娘が好きだった公園を指し、写真はその公園で有名な大きなツツジの木が写っていた。

気づくと私は走り出していた。
公園を目指して。

そしてあのツツジの前に辿り着いた。

ゆっくり、ゆっくり、視線を落とす。
するとツツジの根元辺りに季節外れの白いたんぽぽの花が咲いているのを見つけた。

私はその場に腰を下ろし、たんぽぽのまわりに生い茂る枝をそっと退ける。

「ひっ！」

そこにはたんぽぽに向かって手を伸ばしているような、白骨化した人の手が土から出ていた。

～♪～♪

さっきと同じアドレスからのメール。
恐る恐る開いたメールには

『やっと見つけてくれたね、ママ。』

と一言だけ、記されていた。