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「なんだ晃平か。あんたこんな時でも相変わらずチャラ男ね」
「ん? ああまあな。それよりこんな時ってのは一個上のクラスが何個か消えたってやつじゃねえのか?」
「何晃平。なんか知ってんの?」
晃平は私達の肩から腕をどかし、近くの机に腰を落とした。
「聞いた限りじゃ、二年生の七組と八組らしいぞ」
「え……」
「うそ。陸部の先輩何人かいるじゃん」
「そうなんだよなぁ。これは優希の機嫌悪くなるぞ」
晃平と瑞樹が話している最中に私が思ったのは、昨日、先輩の教室を訪れる用事があり、私が面倒くさがって今日に回したのがそのクラスだった。
さすがに関係は無いだろうけど、今日行こうと思ってたクラスだから戸惑ってしまった。
予鈴が鳴って少しすると教室に担任の先生が入ってきて、その直ぐ後に本鈴が鳴った。
既に私を含めた多くの生徒が自分の席に腰を落とし、滑り込むように若干遅刻気味の生徒達が教室に雪崩れ込んだ。
早朝ホームルーム時に配布用のプリントの束からクリップを外し、数枚ずつ配りやすいように指を擦るようにしてプリントを手の中でずらしている。
「昨日から今日の間に二年の七組と八組の先輩と、誰か連絡を取れた奴はいるか?」
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