クラス喪失

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「三人とも……ホームルームは?」 「そんなの抜けてきたに決まってるでしょ」  ああ、また私はこの人達に迷惑をかけたみたいだ。 「本当に先輩達いないんだな」  私が開けた扉の中を見て、優希が言った。 「あとさぁ。校則が無くなったってどういうことだ?」  晃平が歪なことを言い出した。 「校則が無くなるって……何?」 「あそっか。りなは飛び出してった後だから知らないのか」  え、何この感じ。  凄く聞きたくない。 「なんか全国的にどこの学校でも校則を廃止するらしいよ」 「校則を!? そんなのあり得るわけ無いじゃん」 「俺でもさすがにそれは無いと思ったけどさぁ、無いなら無いでいいやって俺はなった」  晃平はいつも通りルーズだけど、優希は何も思わないのかなぁ。  三人と一緒に教室に戻ると校則が無くなった雰囲気は無く、みんな昨日より真面目に授業を受けている感じさえあった。  でも、ルールが無くなると、みんなやっぱり晃平ぐらいルーズにはなっていく。
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