六月末

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『まあいいや。君ら可愛いし。眼鏡君は?』 『眼鏡君だと? 俺は駒林(こまばやし)だ』 『それ苗字でしょ。ちゃんと優希の方で自己紹介しないと』  瑞樹が直ぐさまチャチャを入れた。 『待て、俺は……』  そう言いながら途中で言うのを止めた彼の目は私に向いていた。  私が少し注意して彼を見すぎたのかもしれない。  どんなふうに思われたのかな。  でも、彼にも友達になってほしい。 『……わかった。優希でいい。とりあえず少しの間だけでも一緒にいさせてもらう』  やった。  私は瞬時にそう思った。 『そうこなくっちゃね。あー楽しくなりそー!』 『ねえ、瑞樹……さん』 『ん? 何? とりあえずさん付け禁止ね』 『ぅ……瑞樹……』 『何?』 『なんでこの三人なの?』  これはみんなが思ってるであろうことだと思う。 『あー。あみだくじだよ』 『はい?』 『なんだと?』 『ハハハハハッ! 気に入ったわお前! 俺ずっとお前んとこいるわ!』  あみだくじ……あみだくじ……あみだくじってなんだっけ? 『うちのクラス美男美女だらけだからさ。誰でもいいやと思って。まあブサイクが当たったらその人を一年間全力で愛するつもりだったけど、その心配はいらなかったぽいから安心したよ』
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