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「俺が聞いたクラスメイト全員が問題集と宿題を忘れてる。これっておかしいと思わないか?」
「……へ? 百パーセント?」
「俺がクラスメイトに本気で嫌われてない限りはな」
優希に限ってそんなことはないと思うけど。
「授業始まったら様子見よ。私はともかく、優希は先生に怒られたりしないよ」
「それはそうなんだが……」
目の前で大泣きしてやろうか。
数分後。
「宿題だしてたろ。前回せ」
チャイムが鳴ると同時に教室に入ってきた物理担当の今石先生による第一声が私の目を細める。
しかし誰も宿題用のノートを提出しようとしない。
「どうした。早くしろ」
「先生! 宿題忘れました!」
瑞樹がそう言うと、今石先生は不思議そうに瑞樹を見た。
「……なんのおふざけだ? もうすぐテストだぞ。クラス全員でこんなことをするとは、考えものだな」
先生は怒りでちゃんとした判断ができてない。
瑞樹はやりかねないっちゃあやりかねないけど、優希がそんなことに参加するとは思えない。
みんな打ち合わせなしで宿題を忘れるなんて……絶対おかしい。
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