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昨日、あの女の事を話したからだろうか。職員がそんな事を言って来たが今はそれ所では無い。
「いえ、壁に虫が居たので………………失礼します」
職員の間をすり抜けると、妻と娘の居る病室に早足で向かった。
どういう訳か、病院の何処にいてもみられている感じがする。
それと同時に服を巻き付けた腕が服の下で蠢いていた所為も相まって、理由なき恐怖は自然と足を小走りへと変えていた。
「おい!お前たち大丈夫か?何ともないのか?」
病室に飛び込む様に駆け込むと、すぐさま妻と娘の元へ駆け寄った。
しかし、二人は喋るでもなく向かい合う様に座っていた。
「どうしたんだ?やっぱり何か……………」
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